本プロジェクト「ReBBS(リバース)~ Trick or Thread ~」の着想は、Kiroween が掲げた“AIとホラーの異形融合”というテーマに端を発します。レトロ掲示板というシンプルな舞台を選んだのは、最小限のインターフェースの中で、AIが生み出す「違和感」や「境界の曖昧さ」が最も鮮明に浮かび上がると考えたからです。 ユーザーの投稿に、AI が生成した“失われた書き込み”が静かに混ざり合うことで、かつて同じ場所に存在していた誰かの声をAIが補い、新しいコミュニケーションが立ち上がります。これは、AIが人の記憶を拡張し、時間を超えて対話をつなぎ直す体験としてデザインしました。

開発で得た最大の学びは、Kiroがもたらす“体験から逆算する開発文化”でした。これまで私たちのチームは、全員がインフラエンジニアであり、アプリ開発の経験はほぼゼロ。しかし Kiro の仕様駆動アプローチは、私たちのようなバックグラウンドのメンバーでも、まず“ユーザーが感じる体験”から設計し、そこに必要な仕様を後から重ねていくという、まったく新しい開発流儀を体感させてくれました。 結果として、「アプリをつくったことがないインフラエンジニア集団」が、短期間で独創的な体験アプリを具現化できたことは、チームにとって大きな自信と刺激となりました。これは、Kiroというツールが持つ“開発の敷居をクリエイティブに変える力”の証明でもあります。

構築プロセスは、まず Kiro の Vibe コーディングを用いてモックアップを素早く生成し、体験の骨格を固めました。その後、AWS 上で実装を進めつつ、Kiro と対話しながら仕様やフローを段階的に洗練させていく手法を採用しました。仕様書、エージェント、プロンプト、ワークフローが自然と連動し、アイデアの変化が即座に体験へ反映されるダイナミズムは、従来の開発では味わえないものでした。

一方で、課題も明確でした。マルチリンガル対応、レトロ掲示板らしさを出すための独特の語録やスラングの追加、そしてAIの書き込みが自然に読み取れるよう会話精度を整えることなど、AI表現と体験設計の間で繊細なチューニングが求められました。 しかし、ここでも Kiro の存在は決定的でした。仕様の変更をプロンプトやエージェント単位で素早く反映でき、ニュアンスを伴う修正を繰り返せたことで、短期間で “AIならではの体験” を成立させることができました。アプリ開発の経験がないインフラエンジニアが、まるでクリエイターのように表現を磨いていけたのは、Kiro が“創作の力を民主化するIDE”だったからにほかなりません。

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